Atogaki―さいはてのあとがき―


      <小説のアトリエ ―あとがき―>
小説を読み終えたあなたは、ふと本の末尾にはさまった一葉のしおりに気づいた。 どうやら、司書の備忘録らしい。つれづれな感想がつづられている。 興味があれば読んでみれば良いだろう、もっとも、こんな場所にまで目を通すあなたも、 かなりの酔狂なのかもしれないが‥‥
<うたがい> HPを開設してから、司書が初めて書き上げた、完結した物語です。 実は(といっても、多くの読者さまはご存知かもしれませんが)、このお話には前編に あたるストーリーがあります。早紀ちゃんが始めてセルフボンテージを知り、そこに のめりこむまでのお話。更科様の『妖しい書庫』に投稿させていただいている『手違い』 がそれです。 「うたがい」は、その次のステップのお話なんですね。 そのせいか描写がかなりハードになってしまいました。ちょっと激しすぎ?(笑 <GOTHIC 束縛> 司書にとっては初めての二次創作。パロディです。 昔から原作つきのお話は書いてみたかったのですが、いつも原作の雰囲気を壊してしまう 気がしてためらってました。そんな中で『GOTH』を選んだのは、どんより昏く色づく 世界観が、SM的な淫靡でダークな雰囲気にあいそうだと感じたからです。 もちろん、何より原作の中でくり広げられる様々な猟奇的な事件、そして簡潔な描写ながら 強烈に印象づけられた主人公のイメージに魅せられたのもあります。のちに漫画版も読んで、 キャラビジュアルの耽美さにクラクラきたのは秘密です。 やっぱり、主人公と森野さんがくっつくところ、みたいじゃないですか。ね? もう一つ。 GOTHは基本がミステリーなので、どの短編にも謎かけ、伏線、どんでん返しがあります。 その辺の持ち味を殺さないように書きたくて四苦八苦しました。 もう一つ二つGOTHICは書きたいのですが、その辺のミステリーが難しいですね。 また、いつかの機会にと思います。 <歌姫の奏でる協奏曲> 「さいはて」も参加している、共有チャットでのなりきりチャットから生まれた合作。 ん〜、完結までが長かった。ひとえに作者の力量不足なのでしょう(汗。 もともと共有チャットに集まった、そうそうたる18禁小説の作家さんたちとお話を していて、このチャットならではの企画をしよう→各サイトの小説のヒロインを持ち 寄って、ヒロインになりきってTRPGをしてみないか→みんな萌え萌え。 →とまぁこんな感じなのです。 ログができたまでは良いのですが、その後そのログからエッチな描写をしていくのが 大変でした。後半に行くにつれて皆様ボルテージがあがり、どんどん状況が乱交に(笑 なっていくんですね。その辺をどう収拾つけつつ淫靡に描くか‥‥ うまく言っていれば幸いです。存分に、奇跡の競演をお楽しみくださいませ。 それとなりきりチャットに参加された皆様、おつかれさまでした。 また機会がありましたら、ぜひ次のなりきりチャットをやりましょう(^0^ ‥‥そういえば、歌姫のプレーヤーは誰だったのかって? うふふ、秘密です。謎の鍵はCAST STAFFに隠されている‥‥かも。、 <Fool in Love 〜バカラブ〜> 急遽思い立って、それがゆえに地獄を見たクリスマス企画。 こういう季節モノは事前に準備しとかなあかんという典型です。最近書かない 男女のラブ、&ノーマル系の話が書きたかったわけで。 もともとは、本編にもちらと出てくるお局OL、細田みさきさんの苦しい恋愛を かくつもりだったのですが、これが待てど暮らせどイメージが下りてこない。 イブの直前まで苦しんだあげく『しゃあない、ライトなコミカルラブに切り替え よう』と思いついて8時間ぐらいで脱稿しました。おかげさまでラブではあり ますがいまいちシリアスでもお笑いでもない微妙作品に。 その分エロスを充填したつもりですがどうでしょう? どうなんでしょうね。 一番気に入っているのはふっと下りてきたタイトルです(笑 ただ、ボキャブラ風にこの作品をマトリクスで評価したら、限りなく中心あたり で中途半端さを責められていそうではあります。 <縄掛け> 書き終わり、全編通して読み返した司書がまず思ったこと。 や り す ぎ た ・ ・ ・ _| ̄|○ 言わずと知れた<うたがい>の続編です。 全編ほとんど縛られっぱなしの早紀ちゃんがSのお姉さまに虐め抜かれるお話なので すが、読み返すとひどく恥ずかしいのです。ひさしぶりに顔が真っ赤になりました。 エロ小説かいてるのに、今さら何が恥ずかしいかって? その‥‥ 私の『単語フェチ』ぶりがだだ洩れているあたりが。 緊縛、縛、縄、後ろ手‥‥分かりますでしょうか。これら単語の異様な頻出ぶり。 とにかくね、普段はなるべく昂ぶるテンション抑えて、クールに、クールに、ライトな SMスキーでも楽しめるようにと書いているわけです。 なのですが、今回ばかりは異様に萌えすぎて、結果恥ずかしいばかりのフェチっぷりに なってしまいました。 まぁその、例えば「オマ○コ」とか、そういう隠語を口走る女性のセックスを描く小説 が大好きとか、そういう嗜好も普通にありますし、エッチ小説の中で『単語フェチ』に 走るのは、小説が活字の集合でできている以上、当然の帰結かもしれません。 しれませんが‥‥ やはり、恥ずかしいものは恥ずかしいのです。 <馴致> 早紀ちゃんのシリーズ第3弾。紆余曲折あって、こんな感じになりました。 ちなみにタイトルは「じゅんち」と読みます。私も最初知らなかったのですが、調教とか そんな意味があるみたいですね。 で、まずここに来たあなたへ。 ああいう終わりになって、司書の事を残酷だ、なんて、思っていらっしゃいますか? そんなあなたは「馴致の3」に戻って、NEXTをクリックしてみましょう。 飛んだ上で戻ってきたのでしたら、なにはともあれ濃いお話をおつかれさまでした(笑。 自縛ネタ、なんていうか、これはあれなんですね。 一人エッチですから、ひたすら終わらないものなのです。特に今回は、イってもイっても 悪夢が終わらないエンドレスなお話なのでかいていて非常に疲れます。肩が凝るみたいな。 とにかく書き出すときにハイテンションで走りだして、煩悩をざざざぁぁっとテキストに 叩きつけたら、そこでブレイク。筆の勢いに妄想がついていかなくなって、駄目になっち ゃったらいけないですから。 そんな繰り返しで、私の一番エッチな気分のところだけ繋ぎ合わせたようなお話です。 たぶん、すごく実用的ではないでしょうか。実用的だといいなー(笑 最後のあの展開は、当初予定にありませんでした。 本来は『縄掛け』からの続き、バーテンさんと早紀ちゃんのラブラブデートだったのです が、一話目の感想で、『屈服浪漫』のマンサクさんから「抜け出せない展開も有りですか」 みたいな言葉をもらって、そこから一気にイメージが閃いた次第です。 本当は、ポールの金具を外して脱出、その後デートなつもりだったんですねー。 でもまぁ。 考えてみれば、いつも素人めいた危ない橋を渡っているんですよね、早紀ちゃんは。 どうして踏み外さないのかと不思議なくらい。 だからこの辺で一度、怖い目にあうべきなのかもしれない、もう一度自分を振り返るべき なのかもしれない、そんな気もします。 さて。 書架のタイトルで横並びになっていることからお分かりのように、お話はそのまま『飼育』 に続きます。 飼育はショートなので、わりとあっさり終わる気がしますが、彼女にとって一つの転機に なるでしょう。お楽しみに。 <服なんかいらないっ!> えっ? という感じかもしれませんが、10話到達を記念して、一応。 というのも、この話はエンドレスにつづくからなんですね。とにかくエッチィお話を書く、 それもあまり推敲せずに手早く書く、を目的に、わりとストレートにやりたい放題、緊縛 しまくっています(笑。 でも考えてみると、このお話「さいはて」の核かもしれないんですよね。 女の子同士が、ラブラブイチャイチャしつつ自縛しあって、恥ずかしい露出をしたり外で エッチしちゃったり。しかも男性はかかわってこなかったり‥‥うん、一番、欲望の底の 部分ですね。他の話ではストーリーのためやむなく切ったり削除するシーンも、とにかく 書く。ムチャな願望が一点に凝縮されています。 ところで、頻繁に更新するわりになぜ若書きのカテゴリかといえば、拘束少女保護区様の チャットで掲載したのが初出だからです。今では見れませんが、1・2話あたりは当時の テイストが色濃く出ています。 一人称、告白形式というのはけっこう好きなスタイルです。読み手を意識して文章が装飾 されても自然ですしね、露出系のサイトなんかも参考に(下敷きに)しています。 最近は、当初の予定をうらぎって文章の装飾が過剰になりつつあるんですよね。悩みです。 本来は派手でイケないプレイの連続で、スピード感で押す話なんですよー。 <飼育> 早紀のシリーズでは珍しい、完全甘々調教小説。 セルフボンテージをメインとする彼女が男性に調教を受ける‥‥幕間以降の展開が予定外 だったのは馴致でも触れましたが、それゆえ、久々にセルフボンテージの仕掛けやどんで ん返しに心を砕くことなく、のんびり、ゆったりと思いのままにマゾの悦びを綴れたよう な気がします。 早紀ちゃんがあれほどセルフボンテージにこだわっている理由。それこそが今回のご主人 様の存在なワケですね。その人と出合って、彼女の心がどう動くのか、ご主人様になにを 伝えたかったのか‥‥書きながら、私自身ドキドキしていました。 自分で操っているはずなのに、その彼女が私の思惑をこえて本音を語りだす‥‥ これって、モノ書きさんなら一度は経験したことのある喜びじゃないかなって思います。 非常に楽しめました。 たまにはこんな風に、「さいはての渚で恋を唄って」みても良いですよね?(笑 <凍える社(もり)> 04年のイブ用に書き始めた、二本の企画モノのうち一本(そして当然のように間に合わず) うーん、もうなんかダメダメです。イブの物語を書くと言っておいて、いつもながらイブ に間に合わず。日々の予定は決まっているのだから早めに仕上げておけばいいものを‥‥ とまぁキリギリスな私のことはさておき。 このお話、ちょうど去年のクリスマスに書こうと思って挫折した細田みさきの物語です。 なので『Fool in Love』の裏側にあたります。あちらの物語の最後で麻生玲子が呟いた、 「‥‥(中略)恋愛っていろんな形がある。シリアスで欲望が基本、 でもラブじゃない、そう例えば不倫のような、ちょっと泥沼っぽい関係とか‥‥」 という、そのシリアスな泥沼の、お話です。 時々ちょろちょろ洩らす本音ですが、私はこういうビターなお話が大好きです。ハッピー エンドじゃない物語、じわっと重い話に否応なく魅かれます。きっと根が暗いんですね(笑 なので、もっとも書きたいことが書けているかなぁと思います。同時に、去年はこのお話、 書けなかっただろうな、とも。 多少なりとも自分の筆が成長していくことを実感した、そんな物語でした。 物語の最後で、細田みさきはどちらの選択を選んだと思いますか? 私はどちらもありうるのだと思います。本当の結末は読み手の心の中にあることでしょう。 <首輪のある生活> サイト開設時から、約1年半かけて完結させた作品。 そもそもは今まであまり書いていないOLの物語、それもなるべく地に足のついたものを 書こうという試みからはじまってます。ただやはり技量不足だったのか、一話だけ書いた きり、その後の心情描写がどうやっても納得できず、お蔵入りになっていました。 インスピレーションを得たのは4年の夏頃に「ころになでおなにな生活」を知ってから。 フィクションとリアルの交錯はモノ書きの夢ですし、文中リンクというWEBならではの 発想も大変楽しんでやっています。 「ころにな」の管理人メスネコさんからは、すでに9月頃許可を頂いていたのですが‥‥ クリスマス企画として復活、間に合わず正月に完成。私らしい、の一言といいますか(笑 タイトルは、以前投稿作で書いていた「首輪のある風景」から取りました。 首輪というアイテムは不思議ですね。チョーカーのようにファッションにも取り入れられ つつ、簡単に非日常へのとば口にもなる。 その辺の揺らぎが、まさにSM的かもしれないなんて思います。 <まなざし> 初のキリ番リクエスト小説。 30万Hitの時にリクエストを受けたにもかかわらず、二ヶ月くらいつまっていました(汗。 (・∀・)さん、リクありがとうございましたー。そして遅くなりましたm()m。 エレベーターの中、というアイデアは結構気に入っています。 自由に出入りできる密室。逃げ場のない公共空間。そんなところに自縛M女がいたら‥‥ 誰しもゾクッとしてしまいますよね。 逆に言えば、それだけ危険でリスクが高いわけでもあります。 タイトルもかなり迷走しました。見られる快楽、密室で囲まれるおののき、昂ぶる被虐感 ‥‥それらをイメージさせたくて「視姦」「顕はれ」「かごめ」「捕らわれ」と二転三転 し、ようやく今の「まなざし」に。 「かごめ」もお気に入りでしたが(篭女‥‥とじこめられて、いやらしい目にあう女性、 ですね)、これだと『emergence』のさなぎさんの代表作にかぶってしまうので、迷った 末に変えました。 タイトル一つで大仰なと思われるかもしれませんが、「まなざし」を思いついた瞬間、 ピタッとピースが嵌まって筆が走りはじめましたから不思議なものです。 小説の表題が持つイメージ力というのは大きいんですね。 <夏日和> 某巨大掲示板の某スレッドに投下したお話。 本当はもっと寝かせて、自サイト掲載はあとにするつもりだったのですが、手持ちのお話の ストックがない&ずるずるスランプ状態なので、思いきって掲載してしまいました。 元のテーマは「処女なのにお尻でラブラブなH」です。 こういう、難しいテーマは挑みがいがあって楽しいですね。冒頭の1シーンが浮かんでから 完成までは早かった。結局は、いつものように女同士のどろどろのお話です。 途中、聡美さんが主人公を妖艶な目で見下ろすシーンがありますね。あの辺が気に入ってい ます。息もたえだえな据え膳状態の女の子を見下ろす人妻。なんてセクシーなんでしょ(笑 親密な感じもあるし、エロスもあるし、こういうの好きですね。 <トータル・リコール> 某巨大掲示板の某ハルヒスレッドに投下したお話。 二次創作、パロディとしては2つ目のお話(挑戦)です。 いやー、難しい。そして玉砕でした。 司書はパロディよりオリジナルが得意で、それはつまり原作のテイストを再現するのが苦手 だという一点につきます。上手にパロディを書かれる作者様はすごいと思いますね。うらや ましいかぎりです。 なので、再収録したこっちにはリベンジの意味も含まれています。 エッチな描写も若干丁寧に書き直し、文体もさらに原作の谷川氏らしさを求めてあれこれと いじりました。投下作品より「らしく」なっていると嬉しいな‥‥ 以下、原作について思うことをつらつら。 書いていて思ったのは、『涼宮ハルヒ』に出てくる朝倉涼子というヒロインは、月姫で言う ところの「さっちん」こと弓塚さつき的なキャラなんだな、ということでした。 あくまで物語の主軸からは外れていますし、狂言回し的にストーリー展開に使われる人物な のですが、にもかかわらずキャラクターや台詞が立っていて魅力的なんですね。 なので、あれこれ想像しつつ楽しく物語を作れたように思います。 <GOTHIC U  D.O.A> いやいや、かなり難産したGOTHの2作目でした。 一作目がそこそこデキも良く、読まれた方の評価も良好だった‥‥という作品は、たいてい 次で苦労します。雰囲気を壊さず、いかに面白く物語を組みたてるか、それを考えたときに 前作が壁のようにたちはだかってしまうんですね。 そこに原作モノというハードルが加わって、かなり長い時間がたってしまいました。 いろいろな異常者のお話や設定は早くに思いついたのですが、肝心のトリックというのが難 物で、どんでん返しやら叙述トリックやらそれらしいものができるまで、一年以上間があい てしまいました。 個人的には、最近のお話の中では1・2番目ぐらいに気に入っています。 SM系にここまで踏みこんで殺人事件をからめるのは当初抵抗がありましたが、できるだけ 嫌悪感を感じさせず、猟奇殺人と叙述トリックという両面でどうにかうまくおさまったかな、 という印象です。 「束縛」も「D・O・A」も原作のあとのお話で、「束縛」が2月ごろ、「D・O・A」が 夏ぐらいという感じです。二人の距離も、私の中ではほんの少しだけ縮まったつもりです。 でも、エッチまではいかないかな? そこまで行くと原作から外れてしまって、書いている私が暴走しそうなので(笑 もう2作ぐらいぼんやりイメージはあります。 次がいつになるかは見当もつきませんが、また、書けたらいいですね。 <GOTHIC V  靴> 立て続けに書き上げたGOTHの3作目。といっても1ヶ月以上はあいているんですけどね。 なんとなく、このごろGOTHの空気が読めてきたかなーと思います。 あるいは私なりの「GOTHっぽい文章」というか‥‥。(←この辺とか(笑) 「森野」と「僕」、彼ら主人公がどう動いてどんな発言をするか、なんとなく想像できるん ですね。いろいろ会話させたりするのが楽しかったりします。 前回と違って、今回は事件の謎とエッチな部分がわりと別物です。その橋渡しが桜でした。 本編ではあまり目立たない落ち着いたキャラなので、読者のイメージとはちょっと違うかも しれません。漫画の方も参考にしつつお話を作ってみました。 それにしてもカッコイイですよね、GOTHの「僕」って。 書いているあいだはしばしば漫画版を引っ張り出してイメージ補強しましたが、何度見ても あの冷たそうな目つきがゾクゾクものでした(笑)。

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